中途半端な神懸り

その後も、相変わらず神懸り状態になることが多かった。

私が拒否しても、ふとした瞬間になってしまったり
神懸りとなって啓示を聞かなければ、
身体が動かなくなったりした。

半強制的になってしまう状態が続いた。

そんな日が増えれば増えるほど
1人で外出するのも怖くなった。

いつ神懸りになってしまうかも知れない恐怖が
心を覆って行く・・。

この恐怖心は、人に話してもまず理解されない。

解決する方法を自分で見つけるしかなかった。

私は、神懸りに付いていろいろ調べてみるものの
その答えは、みつからなかった。

爺さんに聞こうにも、一向に出てくる気配もない。

守護霊様も守護神様も、問いかけには答えてくれない。

そんな中、また神懸り状態になりかけた。

私は、とっさに自分の意識を強く持ち
私の身体に憑こうとしている神に話をした。

「私の身体を使うのは、やめてください。」

憑こうとした神は、何も答えてはくれなかった。

しかしこの時、自分の意識と神の意識の狭間を体験した。

「この状態だ・・・!!」

私の心のピントが合った。

「この状態でお話があるなら、伺いましょう。
 しかし、完全に私の心と身体を乗っ取るおつもりなら
 お断り致します。廃人となるのをわかっていて
 あなた方に私の心と身体、魂までも占領されるのはごめんです。

 例え、そのことで多くの人が助かることになったとしても
 私は浮かばれません。あなた方が出入りすることで
 私の魂には、垢が増えるばかりです。
 「自分も救い、他も救うのが神の道」ではありませんか?
 自分の魂を自分で救えない者が、人の魂を救えるとは
 とても思えないのです。

 神懸りとなり、廃人となっていった人達は、
 今、死後の世界でどうなっているのでしょう?
 決して成仏しているとは、思えません。
 あなた方の垢にまみれ、人を助けたものの
 自らが地獄にいる状況ではありませんか?

 穢れを嫌う神が、垢にまみれた魂の者を救うとは
 とても思えません。

 私は人として修行するために、命をいただきました。
 決してあなた方の社になるために生きて来たのではないのです。

 それに私は神懸りとして生きた人達のように
 大勢の人を救いたい・・という欲もありません。
 自分のできる範囲で、できることだけをして行くつもりです。

 ご先祖様からいただいた、この身体と魂を大切に思うからこそ
 完全な神懸りにはなりません!」


私が話しをし終えると、憑こうとしていた神はいなくなった。

それと同時に、神懸り状態がス〜っと解けた。

私は、やっと人としての自分の心を乗っ取られずに済んだと
ホッと胸を撫で下ろした。



完全な神懸りは、本人の意識や心を奪ってしまう。

自分の意識と神の意識との狭間で得たものは
完全な神懸りとなった人達には、
到底理解できないことだと思う。

まして、霊懸りとなった人達には、
もっと理解できないことだろう・・。

完全を超えた、中途半端な神懸り。

私にこのことを悟らせてくれたのは、
お釈迦様であり法華経だった。


Xさんのその後・・・

それから、数日後。

Xさんから私あてに電話があった。

先日、とんでもないことを言ってしまい
申し訳なかったとの事だった。

ちょうど私が留守をしていたときだったので
師匠がその電話を受けてくれていた。


師 「Xが、なんやしらんけどお前に謝りたいからまた電話するって
   ゆうとったけど、何があったんや?」

峰 「この前電話で・・・かくかくしかじかで・・・」

師 「ガハハハハハ!あいつも調子にのるからそんなことになるんや!
   そやけど、お前が相手であいつも救われたはずや!」

峰 「なんでやの?」

師 「あいつ多分、本物の神様に怒られたんとちゃうか?」

峰 「そうかな?怒られたほうが罪つくらんでええんとちゃう?」

師 「そうや、だからお前が相手であいつも救われた・・ゆうたんや。
   これがもし、相手も変な霊に憑かれてるヤツにゆうとったら
   恨みの念でお互い苦しむことにもなりかねへんやろ。」

峰 「そうやな〜。私はいっこも恨んでないよ。
   ボロクソに言われたけど、可愛そうなやっちゃな〜思うた。
   爺さんがいてたし、守護神様にも聞かれてたからな〜。」

師 「アイツも霊感は多少あるから、多分、爺さんか誰か他の神様に
   怒られたと思うわ。また電話かかって来たら聞いとくわ。」

峰 「うん。そうして。私宛てに電話があっても、もう取り次がんでいいから。」


それからしばらく経ったある日、Xさんから連絡があった。

予想通り「神を舐めてんのか!!」と
いわんばかりに怒られ、宗教団体も解散するように言われたとの事だった。

爺さんの仕業だとすぐにわかった。

Xさんにはちょっと可愛そうだったかも??と思ったが
Xさんは、きっぱり宗教団体を解散し、
今は会社を起して、仕事に力を入れているとの事だった。

「以前より、毎日が楽しくてとても前向きな心で暮らしています。」と
言うXさんの声に、師匠は心から喜んでいた。

師 「アイツも家族も、今までより幸せそうで良かったわ。」

峰 「そうやね・・(ーー;)抜けれる人はいいね・・。
   私もキッパリ足を洗いたいよ・・・。(-。-)y-゜゜゜」

師 「あんまり言わんほうが、ええんとちゃうか?」

峰 「私の本心やから、しゃーないわ。」


「祭壇の前に行け!!」突然爺さんからお呼びがかかった。


師 「ほら、読んでるで!!行って来い。ガハハハハ!」

峰 「あ〜〜マジで嫌!!キレそう!!」(−−〆)


爺 「文句を言わずにさっさと祭壇の前に行け!!」

峰 「はいはい・・・」(−−〆)

それから30分以上、爺さんからお説教をくらったのであった・・。

神懸りの道はまだまだ遠い・・・(>_<)


神懸りと動物霊懸り?

爺さんが消え、数日経ってからも神懸り状態にることは多かった。

突然、様々なシグナルと共に神懸り状態になる。

例えば、うちのスタッフと話をしているとき、
話の内容によって、神懸り状態になったり
鑑定中になることもあった。

神懸りから解放された後、一気に疲れが押し寄せ
何もできない状態になった。


爺さんは「お前は自然の流れに身を任せて生きておれば
それでいい。何も無理やり神懸りにしようとしているわけではない。」と
言っていたが、現状はその反対で、
どんどん神懸りとなる時間が増えて行った。

時には、神の名を語る動物霊や悪霊などが
出て来ることもあった。


私は、そんな日が続けば続くほど
より一層神懸りとなることに抵抗を感じた。

「どうしてこんな状態になるんだろうか?」

私がそんな疑問を強く持てば持つほど、
神懸り状態は増えるばかりだった。



そんなある日のこと。

以前から知り合いでもあった、
ある宗教団体の教祖をしているXさんから電話がかかって来た。

Xさんも、神懸り状態になることが多いという話だった。

私はXさんを知っているが、
とても神に使われる魂だとは思えなかった。

魂に汚れが多くついている場合
その人の魂を直接見ずとも、
その人を見ればどの程度汚れているのか検討がつく。

Xさんは、電話口で私にこんなことを言い出した。


Xさん「あなたが神懸りになるなんておかしい。
    早く祈祷所をやめたほうがいいですよ。」


峰  「なぜそんなことを言うのですか?」


Xさん「神が私にそう伝えるよう言って来ているのです。」


峰  「ほ〜〜・・・。で、どんな神様ですか?」


するとXさんは、突然何かに憑依されたような状態になり
全く別人の声に変わりこう言った。


「ワシは天界に住む○○という神だ。お前のような者が神懸りに
 なるなどとんでもない。これ以上続けるなら、天罰を与えるぞ!
 さっさと祈祷所も辞めてしまえ!!」

電話中にXさんの言う「神懸り」状態になってしまったのである。

その○○という神は、数分間私を罵倒し、無理難題を言出だした。

私は、その声を聞いて相手が神で無いとわかっていたので
相手が話している途中で電話を切った。

Xさんの状態は神懸りではなく、動物霊懸りだった。

神懸りになる途中、こうなる人が多いことを
知っていたため、やっぱりこの人もそうか・・という感じだった。

それにしても、私に罵倒する言葉を浴びせるあの動物霊、
いい度胸してるよな〜〜と思いながら、ふと見ると、
そこには爺さんの姿があった。

私を罵倒したその声は、しっかり私の守護神様や守護霊様、
爺さんにも聞かれていたのだ。

私が「あの動物霊がどうなっても知〜らない」と思った瞬間、
爺さんは、突然真剣な眼差しをしたままどこかに行ってしまった。


「これだから、神懸りになるのは嫌なんだよな〜・・」

爺さんがいなくなった後、1人でブツブツ文句を言ってみた。

すると「神懸りになるための勉強になりましたね。」と
静かに守護霊様がおっしゃられた・・・。


 ┐(ー_ー)┌  なんてこったい!!その為の修行かよ!!


私は、また爺さんや守護霊様、守護神様にハメられた気がした。

神懸りの本物と偽者

峰 「お〜っ!!爺さん、突然やって来るからびっくりするやん!!」


爺 「神懸りになって、廃人になってしまった者と
   そうでない者との違いを考えろ!」


峰 「なんでもお見通しなのね・・。(ーー;)
   でも私は、そんなことどうでもいいねん。
   神懸りになるのはもう嫌やねん。」


爺 「心配するな。お前のは神懸りってほどのもんじゃない。」


峰 「??それってどういう意味やねん。(ーー;)
   神懸りにもなれへん中途半端なヤツってことか?」


爺 「そう言ってるんじゃない。
   今は神懸りになるための修行をしている所だという意味じゃ。」


峰 「それって、神懸りになる練習ってことやん。
   でも、もう神懸りにはならへんって決めたから諦めてや!!」(^_^;)


爺 「ガハハハハ。お前はやっぱりバカか?
   神懸りになるかならんかは、お前が決めることじゃない。
   神がお前を選ぶかどうかじゃ。」


峰 「じゃあ、その神様に言っておいて。
   私はもう神懸りの練習はしないから選ばないようにって!」(ー_ー)!!


爺 「お前は、神懸りになった人達のことを調べたようだが、
   お前が調べた者の中に、本当に神から選らばれた者が何人いた?」


峰 「10%もいないんじゃない?」


爺 「ほ〜〜。そこまではわかったようじゃな。
   後はみんな神懸りではなく、霊懸りになった者達じゃ。
   霊懸りはな、本人も気づかん間になっている場合がほとんどじゃ。
   霊感があるやつは気をつけなにゃならん。
   で、お前がやっていることはなんじゃ?」


峰 「神懸りの練習。。(ーー;)」


爺 「良くわかっているじゃないか。ガハハハハ。
   本来の“神懸り”はな、人が見ても気がつかん。

   いかにも“神懸り”です。というような人間は、本物ではない。
   見た目で騙される人間が多いから、そういう偽者が
   増えるんじゃ。

   お前は自然の流れに身を任せて生きておればそれでいい。
   何も無理やり神懸りにしようとしているわけではない。

   だから、そんなに心配するな。
   こうやってお前が“神懸り”を調べること。
   それはお前の修行なんじゃよ。」


峰 「・・ってことは、私が疑問を持ったり、
   何かを感じて行動することが、神懸りになるための修行ってこと?」


爺 「ガハハハハハ。まぁ〜気長にがんばれよ。」



そういうと爺さんは、いなくなった・・。


いつも肝心なときにいなくなる爺さん。

また、疑問を持つことになってしまった私・・・。

こうして私は、爺さんにハメられて、
知らず知らずのうちに修行させられるのであった。



神懸りの怖さ

祈祷所で修行するようになり
いわゆる“神懸り”と言われる状態に
なってしまうことがあった。

“神懸り”とは、神霊が人に乗り移る状態のこと。

(尋常とは思えない言動を行うこと。
 また、いちずに信じこむこと。
 そういう狂信的なことを神憑りというらしい・・。)

この“神懸り”に近い例としては、
イタコさんが霊を自分の身体に降ろして
話をする姿が有名である。


私は、自分がイタコさんのようになってしまうことが
とても嫌だった。

“神懸り”になった後は、身体のエネルギーが無くなり
ひどく疲れていまう・・。

その上、疲労感がなかなか取れない。


私は、自分がこのような状態になってしまうので
それに対処する方法を調べることにした。

そこで、神懸りの経験者を探し、
その人達がどのように対処して来たかを調べてみた。

神懸りの経験者達は、宗教団体の教祖になった人、
その能力を詐欺や犯罪に使われてしまった人、
発狂してしまった人など様々だった。

中には、中山ミキさん(天理教教祖)のように
人生の途中から神懸ったまま(24時間憑依されたまま?)、
一生を過ごした人もいた。


私は、神懸りになった人達の生き様を見て
とても恐ろしくなった。

“神懸り”=依り代(よりしろ)となってしまうからである。


依り代とは「神霊が寄りつくもの。」という意味。

神霊は物に寄りついて、示現(じげん)されるという考えから、
憑依(ひようい)物という意味もある。

憑依物には、樹木・岩石・動物・御幣などがあり、
人間はこの中で言えば動物の仲間で、
神霊からすれば、言葉を話すため、
動物以上に使いやすいのである。

自分達の意思を伝える絶好の依り代=人間ということになる。

ところが、人間の魂には先祖代々からの
様々な因縁の垢がついている。

その垢が邪魔になり、例え神霊といえども
誰にでも依り代をさせるという訳にはいかない・・。

そこで、依り代ができる因縁を持っている魂の人が選ばれる。

また、依り代とひと口に言っても、神の依り代となるのか、
霊の依り代となるのかによっても、大きく違いがでる。

当然、神の依り代となるには、魂が清浄でなければならない。



私は“神懸り”となることの怖さを知り
“神懸り”になることをやめようと決めた。

神懸りとなって来た先駆者達の中には、悲惨な人ばかりでなく
とても素晴らしい教えや智慧を残してくれている人もいる。

しかし、私はそんな教えや智慧を残そうという欲もない。

人らしい心で生きれれば、それで十分だ。


私がそんなことを考えていると、ス〜ッと爺さんが姿を見せた。


魂の絆

私は親友の手を握り、ゆっくり呼吸させ、
ウツ病だということを話し始めた。

親友は、それを認めたくなかった様子で
その場に泣き崩れた。

泣きながら「死にたい・・死にたい・・」と
何度も口にした。

私は、霊的な影響でウツ状態になったり、
病気になっている場合はなんとか出来るが、
霊的な影響で無い場合は私の手に負えない。

お医者様に相談するしかない・・と話た。

親友は、思考が混乱し、
自分でも何がしたいのかわからない状態だった。

「死にたい・・死にたい・・」

何度も何度も口にした。

親 「こんな病気になるなんて耐えられない。
   だから、死にたい・・。お願いだから死なせて・・」

峰 「わかった。一緒に行ってやるよ。
   今助かる見込みがあるのに死んじゃったら、
   あんたは間違いなく地縛霊になるよ。

   あんただけそんな世界に行かせる訳には行かないからね。
   だから一緒に行ってやる。
   私と一緒なら、なんとかなるかも知れない。」

そういうと、私は親友の身体を思い切り抱きしめた。

私は親友と自殺することを、全く怖いとは思わなかった。

逆に、頭には確実に死ねる方法が浮かんでいた。


しばらく抱きしめていると
錯乱していた親友は穏やかになってきた。

すると突然、私から身体を離し、
  「峰絵、病院に行って来る。家族にも話して付き添ってもらうよ。

   それにしてもあんたって不思議だね。
   なんで心を穏やかにする力があんの?
   ママが苦しがってたとき、
   あんたに会いたいって言ってた気持ちがわかるよ。」

   そう言って、薄っすら笑みを浮かべた。

峰 「さぁ〜知らない。自分でも良くわからない。
   せっかく一緒に死んでやるって言ったのに、
   もう死ななくていいのか?」

親 「あんたを死なせたら、神様にひどく怒られそうだからね。」



親友は、その後すぐに心療内科を受診した。

良くなる段階で、一時的に悪化した様子を見せたものの
それを乗り越えた。

早めに対処したため、
何年も掛からずに直すことが出来た。

今では元気に暮らしている。

不思議なことに、ウツ病から復活した親友は、
以前より増して精神レベルが高くなった。

結局のところ、修行させられたのである。


ソウルメイト・・・


今でも私と親友は、お互いそう思っている。

精一杯生きて、あの世に行ったときには、
笑いながら一杯やろうと約束している。(笑)

復活後に待っていたこと

爺 「まだ生きておったか?なかなか踏ん張るじゃないか!
   ちょっと元気になって来たお前に、次の修行の課題を与える。」

峰 「なんだって?次の修行?しばらくゆっくりさせろ!!
   このクソ爺!!私は大変やったんや!!」(−−〆)

爺 「お〜〜これなら大丈夫じゃな。
   9月、九州の宇佐八番宮に修行しに行け!
   そこに行けば、お前の心も完全に復活するじゃろう。」

峰 「爺、九州に行けって簡単に言うな!!
   あんな辛い目に遭ってんのに、
   ちっとも助けてくれへんかったやろ!!」

爺 「ワシらが手を出さんでも、お前はここまで回復したじゃないか。」

峰 「・・・たしかに・・・(ーー;)」

爺 「ワシらの力はいらなかったということじゃ。
   とにかく9月になったら宇佐八幡宮に行け。わかったな!!」

そういうと爺さんは、いなくなった。

峰 「勝手に決めるな!!コラ爺!!待たんかい!!」

・・・返事がない・・・。(ーー;)


9月までは、まだしばらく時間がある。

それまで、行くか行かないかを決めようと思った。



それから数日後、私は以前と変わらない状態の
自分に戻っていた。

やっと元気になって、やれやれと思っていたところへ
1本の電話が鳴った。

それは、私を助けてくれた親友からの電話だった。


「峰絵、もうダメかも知れない・・。
 今からそっちに行くから助けて!!」

声が震えている。ただならぬ様子に私は驚きを隠せなかった。

「どうしたん?何があったん?」

「怖い・・怖くてたまらない。もう生きてるのが嫌!!」

訳のわからないことを言いながら、電話の向こうで涙する親友・・。

「とにかく、そっちに行くから助けて!!」

そういうと、電話は切れた。

それから1時間後、親友が今にも泣きそうな顔でやって来た。


峰 「どうしたん?何があったん?」

親 「わからへん。怖くて、たまらない。でも、死にたい・・。」

峰 「何かあったからそうなったんじゃないの?」

親 「何もない。でも突然、こんな気持ちになって苦しくて・・
   何かに憑かれたのかも知れないと思ったから、
   峰絵に助けてもらおうと思った。」


親友には、何も憑いていなかった。

症状から見てウツ病だ。

私が復活したと思ったら、今度は親友がウツ病になるなんて・・・

私は、この時なぜ自分がウツ状態になっていたのかが理解できた。


闇からの脱出

親友は、私の話を一通り聞いた後で話始めた。

 「あんたの生活を見てたら、そりゃ〜ストレスになるよ。
 心が潰れてもおかしくないと思うよ。

 良く、考えてみて。ママが亡くなって、師匠は心が病んで
 その時でも、毎日大変だったじゃない?

 その後、突然師匠が倒れて看病する生活が始まって、
 祈祷所のみんなのこと考えて、あっちこっちに気を使って、
 その上、経営のことまでやってんだから、
 心が潰れてもおかしくないよ。

 普通の神経の人なら、とっくに潰れてるよ。
 経営することにしても、資金繰りとか大変な訳だし
 今の経営者はみんな資金繰りだけで頭がおかしくなって来てるのに
 あんたの場合、それだけじゃないでしょ?

 だから、疲れが一気に噴出して、ウツ状態になってるんだと思うよ。
 しばらく何も考えないで、ゆっくりすればいいよ。
 経営や資金繰りのことは、手伝ってやるから!!」

私は、親友の言葉を聞いて、
自分のやって来たことを改めて確認した。

周囲へ気を使うことが多く、
自分の心を殺して来たことにも気づいた。

結局、乗り越えて来た数年間の出来事は
自分の心の中で消化しきれていなかったのかという思いが、
頭をよぎった。

その瞬間、悔しさで涙が溢れた。

私は、親友の前で
子供のようにワァーワァーと大声で泣き続けた。

親友は、大声を出して泣いている私に何も言わず
黙って見守るだけだった。

しばらく経って、私が落ち着いて来たとき
親友は、ゆっくりと話し始めた。

「今のあんたは、ママと同じウツ状態になっていると思う。
 だけどね、その苦しみもあんたの修行なんだよ。
 だから、神様も何も言わないんだと思う。

 あんたが自分の力で、心の闇と戦って、その世界から
 抜け出さないと、心の闇と戦ってる人達の気持ちを
 理解してあげられないでしょ?だから、神様はあんたを
 ギリギリのところまで追い詰めて、人の心を教えようと
 してるんだと思うの。ママの苦しみを心から理解出来たでしょ?
 ママだって、きっと悔しかったと思うよ。

 念のため一度いつも診てもらってるお医者様に
 相談してみなよ。もしかすると、あんたが悪いんじゃないのかも
 知れないよ。ママと同じで、心の病気かも知れないしね。
 もし、そうだったらそのお医者様が
 ちゃんとした専門の先生を紹介してくれるはずだから。

 それにね、良く考えてみて!
 あんたがもしここで自殺でもしたら、喜ぶやつがいるんじゃない?
 悪霊や死神や・・そんなやつらが喜んでることを想像してみな。」


親友は、そう言ってやさしく笑みを浮かべた。

私は、親友の話を聞いて
その言葉一つ一つが理解できた瞬間
今まで噛み合っていなかった心のピントが
ピシャッと合ったような気がした。


(私は、今までも負けなかった。
 だから、こんな闇地獄に負けるわけがない。)


ピントが合ったとたん、私の心に底力が湧いて来た。


その日を境に、私の心はどんどん明るい方向へ進んだ。

しかし念のため、親友のアドバイス通りお医者様にも相談に行った。

お医者様は、ウツ病と症状がとても良く似ているが、
自力でここまで回復するなんて・・と、不思議そうな顔をしていた。


そんなある日、
暗闇から少しづつ脱皮し始めた私に
爺さんが突然語り掛けて来た。



闇をさまよう心

日が経つに連れ、自分を責めるだけでなく
理由のない不安や苦しみを感じるようにもなった。

人が側にいても、不安でたまらない。

苦しくてたまらない。

自然と目から涙が溢れる。

その思いが、不安な自分に拍車をかけた。


祈祷所のスタッフや勉強に来ているみんなと
顔を合わせることさえ、辛くなった。

(誰とも逢いたくない・・。話したくない・・。)

そう思う毎日だった。

しかし、みんなに心配を掛けるのが嫌だった私は
何事も無いかのように、一生懸命振舞った。

月に1度の祈祷所の勉強会も、
無気力な自分と葛藤しながら講師を勤めた。


どう考えてもおかしい。

こんな無気力な生活が、何ヶ月も続くなんて
正常じゃない・・・。


それと同時に、毎日の読経をする度に
違和感を感じた。

私の祈りが、見えない世界に通じていない・・。

いくら気合を入れて、読経しても通じない。

祈祷所へ来てからの私にとって、
祈りが通じないという経験は初めてだった。

その上、いつもは自然に会話できた爺さんや
守護霊様、守護神様とも、
全く会話が出来なくなっている。

何かに邪魔をされているのかと考えてみても
全くその気配はない。

そのことが私の心を暗闇の世界へ、
どんどん追いやった。

蟻地獄に落ちるかのように
私の心は不安と見えない恐怖心に苛まれ
とうとう自殺したいとまで考えるようになった。


そんな生活が3ヶ月ほど過ぎた頃
私は、親友に自分の心を打ち明けることにした。

無意識の内に、自分が自殺するのではないかという
不安があったので、師匠やスタッフへの遺言を頼むつもりだった。

私は親友に、自分の心が言うことを聞いてくれない辛さを
1つ1つ話し始めた。


闇の世界への招待状

師匠が、前向きにがんばり始め
しばらく経った頃、私に異変が起こった。

夜、ベットに入り眠ると
そのまま何時間も眠り続けてしまうのだ。

部屋に人が入って来ても気づかない
勿論、携帯の目覚ましアラームの音や
目覚まし時計の音などしても
全く気づかず、眠り続ける始末だった。

そんな私を師匠は、たるんでいると
毎日のように怒鳴った。


私は当初、疲れが溜まっているからかと、
思ったが何かがおかしい。

今までに無い漠然とした不安が、
心の奥から湧いて来た。


そんな生活が1ヶ月ほど過ぎた頃
突然、今度は無気力状態に陥った。

食事をすることも、トイレに行くことも
人と話すことも、何をするのも面倒で仕方なかった。

当然、仕事をする気にもなれない。


それでも、無理に仕事をすると
身体の振るえと、動悸、目まい、吐き気に襲われる。

息が苦しくなって、冷や汗をかき
顔が青ざめて行く・・。

仕事ができないことを、だらしないと
自分で自分を責める日も多くなった。


眠りに着くと、相変わらず何時間も眠り続けてしまう。

その為、どんどん眠るのが怖くなった。

しかし、気がついたら昼、夜関係なく
無意識のうちに、眠ってしまっている。

師匠の怒鳴り声で、ハッと気がついて飛び起きると
心臓がキューッと痛む。

身体に感じる異変と
自分らしくない行動に、戸惑うばかりだった。



そんな私を見て、師匠はいつも大声で怒鳴った。

しっかりしろ!!というつもりだったと思う。

しかし、その怒鳴り声は
私の心に、どんどん恐怖心を植えつけて行った。



私は、自分の胸の内を、誰にも話せないでいた。

話したとしても、
きっと誰も理解しくれないと思っていたから・・。

それに、こんなことで弱っている自分を
認めたくはなかった。



そうする間に、どんどん心は闇の世界へ導かれて行った。



calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM